ひとごとではなく、住宅公庫利用者の破たんは急増している。九九年度の破たん件数は一万五四〇〇件近くにのぼっている。公庫が元本の三年返済(国土交通省はこれを五年まで延長しようとしている)という措置を打ち出しているのは、こうした破たんの急増と無縁ではない。それぞれに事情があるだろう。だが、肝心なのは、マイホームが人生のすべてではないということだ。持ち家に固執するあまり無理なローンを組むくらいなら、まして犯罪に手を染めるくらいなら、持ち家など必要ないと考えるのも一つの選択肢だということだ。
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つまり、あらゆる手段を行使してもローンを維持できなくなったら、できるだけ早く転進する。愛着のある家を手放すことには決断がいるだろうが、無理をして生活そのものを破たんさせることの方を戒めるべきだろう。選択の順位である。将来の撤退を見込むなら、持ち家に対する投資は少ないほうがいい。頭金を少なくして、繰上げ返済は行わない、リフォームも行わない、など、反対をするべきだろう。だが、常識的に将来破たんすることをあらかじめ予想してローンを組む人はいない。