固い防衛性を備えるべき

2011.12.16

私は、現代の都市住居は心理的に守りの固い防衛性を備えるべきだと考え、これまでにもその方向でいくっかの試みをしてきたが、それでも都市部にしては敷地条件に恵まれたケースが多く、防衛型の手法が徹底されたものは少ない。「ライトコートのある家」は、周辺環境の厳しさゆえに、私の作品としても「階段の家」以来の防衛型都市住居の典型となり、困難な課題であったが、それだけやりがいのある仕事だったと思う。防衛型に徹しようとするとき、設計者にとってしばしば大きな障害になるのは、私自身も含めた日本人が、心の底に抱いている伝統的な和風住宅の開放性への郷愁である。

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外部に対して守りを固めようとする設計意図が、この開放性への郷愁ゆえに住み手の理解を得られないことが多いのだ。しかし幸いなことに、A夫妻の場合にはこの懸念は杞憂であった。目白に住み続けたいというA夫妻の気持ちはライフスタイルの明快な選択に裏付けられており、都市に住むには「何を確保し、何を捨てなければならないか」ということをきちんと理解されていたからである。かくて、この住宅の塀をなくして外壁を道路面ギリギリに置き、その代わりに内部に中庭をつくって、各部屋がそれを囲む構想は、第1案として提示され、ただちに承認された。その後、細部では変更が行われたが、基本構想は最初から変わっていない。





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