単に戸建て住宅だけでなく、マンションの値上がりもかなりなものであった。その理由は、1つには次のようなことがある。都心で土地を売却したり、借家を出された人々か郊外に移るのを嫌って都心に残りたい場合、そこで代替地を求めることは、そもそも物件かないことと、あっても法外な高値なので、いかに多額の金を手にしたからといって容易ではない。そこで代わりに求めたのが都心のマンションである。これが億ションブームを引き起こした。億ション用地として人気が高い麻布あたりの住宅地地価は、昭和59年ごろまで坪500万円程度であったが、昭和62年には最高坪3000万円ぐらいにまで値上がりしている。約6倍の上昇であると同時にその一帯のマンションも、もともと4000万円前後のものが1億6000万円前後へと4倍近くに、あるものは地価の上昇倍率と同様6倍近くに高騰している。このような具合で、山手線内側のマンションが軒並み急騰すると、今度はそれまでマンションに生活していた者が、これをチャンスとばかりにそれを売却して、世田谷や横浜あたりに土地付き住宅を求めに走り、これも山手線外周から郊外の住宅地地価を押し上げるように作用していった。
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